心の形
感情を塊のままにしていたい。
感情を言葉で形づけたくない。
感情を細分化したくない。
言葉にすることで失われるものがある。
こぼれ落ちて消えていく園些末な部分まで自分だと思って大事にしていたい。
神は細部に宿る。
その小さな想いまで取っておくことが、私が一歩先を進むことを赦す。
そう思っていた。
しかし、感情の塊は、毒気を放っていた。
感情の塊は、自分でもコントロールできないほどの強いエネルギーを持っていた。
抱えたまま生きていくのは容易ではなかった。
少しずつ、自分自身を蝕んで、飲み込んで、気がつくと暴れている。
もう扱うことはできなくなる。
塊を、言葉以外の方法で細かくして、形にすることが必要である。
できないなら、言葉を使うしかない。
言葉を使うと、ものすごく、ものすごく楽になった。