SUSHI no SHISO

templa-temple

深い夜を乗り越える

深く深く 泥の中に 沈み込む 空気が薄くなり 息が浅くなる

私を見て

慌てて水をかける 手を突っ込んで 引き上げようとする 泥だらけになって かえり土を浴びて

ようやく息が通るようになる

声が聞こえるようになる

静かな夜だということがわかる

 

たびたび現れる塊の感情に 

ナイフを入れて 私を切り出してくれる

どうしてそこまでしてくれるのか、正直なところわからないが

理由を求める方が不思議と言わんばかりの顔をする

命綱のあなた

 

人と暮らすというのは本当にありがたいことだと、結婚して知った

心の形

感情を塊のままにしていたい。

感情を言葉で形づけたくない。

感情を細分化したくない。

 

言葉にすることで失われるものがある。

こぼれ落ちて消えていく園些末な部分まで自分だと思って大事にしていたい。

神は細部に宿る。

その小さな想いまで取っておくことが、私が一歩先を進むことを赦す。

 

そう思っていた。

 

しかし、感情の塊は、毒気を放っていた。

感情の塊は、自分でもコントロールできないほどの強いエネルギーを持っていた。

抱えたまま生きていくのは容易ではなかった。

少しずつ、自分自身を蝕んで、飲み込んで、気がつくと暴れている。

もう扱うことはできなくなる。

塊を、言葉以外の方法で細かくして、形にすることが必要である。

 

できないなら、言葉を使うしかない。

 

言葉を使うと、ものすごく、ものすごく楽になった。