深い夜を乗り越える
深く深く 泥の中に 沈み込む 空気が薄くなり 息が浅くなる
私を見て
慌てて水をかける 手を突っ込んで 引き上げようとする 泥だらけになって かえり土を浴びて
ようやく息が通るようになる
声が聞こえるようになる
静かな夜だということがわかる
たびたび現れる塊の感情に
ナイフを入れて 私を切り出してくれる
どうしてそこまでしてくれるのか、正直なところわからないが
理由を求める方が不思議と言わんばかりの顔をする
命綱のあなた
人と暮らすというのは本当にありがたいことだと、結婚して知った